幕末を味わう 下田あじさいの道
梅雨に入り、色々な種類のあじさいが各家々を彩っています。
私が小さい頃には主流だったヤマアジサイ以外にも、
各家々の庭先にガクアジサイが徐々に増えたのを覚えています。
最近は柏の葉の形をした葉をつけて、円筒上の花を持つ、
カシワバアジサイも人気が高いようです。
私は個人的に「墨田の花火」という青いガクアジサイがとても好きです。
先日、あじさいを見に下田へと行って参りました。
旧下田城址の下田公園は、下田市街と下田港を一望できる丘にあり、
15万株300万輪のあじさいは日本一だそうです。
あじさいといってもその種類は多く「ウズアジサイ」「日向テマリ」「伊豆の華」「カシワバアジサイ」「アナベル」「クレナイ」など、100種以上を見ることができます。
昭和感満載の下田海中水族館の駐車場に車を停めて、ひたすら坂を上ると、赤ちゃんの頭の大きさほどのあじさいが咲き、どこもかしこも「映え」スポットで、
丘の一番上からは、下田港と下田の町並み、色とりどりのあじさいが見渡せ、
とてもとても圧巻でした。
そこから、坂道をゆっくり下りていき、開港記念碑を通り過ぎて行くと、
了仙寺の手前に のペリーロードに出ます。
ペリーロードは幕末、黒船により来航したペリー提督一行が了仙寺で日米和親条約付録下田条約締結のために行進した道です。
港町下田の花柳界の面影を残している川沿いには石畳の道が続き、伊豆石やなまこ壁の家並み、柳並木、ガス灯が独特の風情を醸し出しています。
静岡県は東西に長く、また様々な歴史的遺跡が数多く残り、
古くは縄文時代の浜松、蜆塚遺跡から、静岡の弥生時代の登呂遺跡、
鎌倉時代を築く源頼朝、北条政子にまつわる伊豆、
なんと言っても今話題の徳川家康にまつわる史跡は県下に盛りだくさんですが、
韮山の反射炉、幕末、下田の黒船来航から、無血開城の話し合いが行われた駿府府中など、歴史的な見どころも豊富な場所です。
そんなペリーロードを見たり、唐人お吉が働いていた小料理屋跡地から、
了仙寺に向かって歩くと、
近代的な街々にはない、今までの人々の息遣いを感じることができ、
改めて、たくさんの方が築いてこられた礎の上に生かされていると思いました。
私達は、その方が今までの生き方を尊重しながら、
ご本人にも、ご家族にとっても、できる限りその方らしく生きられるご支援を
していくのも仕事のひとつですが、
皆さんが守ってこられたこの街を大切に守っていくのも、
後に続くものとして大切な働きだと感じています。
☆瀬名店 居宅☆